OUTLINE
2023年7月20日に開業した都市型水族館『AOAO SAPPORO』の「BLUE ROOM(ブルールーム)」に展示される没入型デジタルアート「青く美しい海の世界」のコンセプト立案から体験設計及び、一貫した空間演出、映像制作を含む、デジタル技術を導入したコンテンツの企画・制作をいたしました。
水族館は、楽しいだけのエンタメ空間ではなく、"癒し"や"学び"、そして"自然や生命とのつながり"を感じる場所。私たちは、"最新テクノロジーを使うこと"が目的なわけでもなく、"リアルの置き換えをデジタルでする"でもない。「デジタルだからできる今までにない新しい水族館体験を作ること」を大切にBLUE ROOMという場所のあり方を考えました。「デジタルによる没入空間を生み出す」の先にある、「人が海の世界にお邪魔して、海の生きものたちと同じ目線になる」。そんな、ヒトと自然との関わりについて新たな視点がお客様の中に生まれることができればと考え、「青く美しい海の世界」を企画・制作しました。
幅約20メートルのラウンド型パノラマスクリーンと延床面積約120平方メートルにプロジェクション映像を投影し、その映像空間の中に来館者が入ることができるBLUE ROOMの環境を最大化。
「青く美しい海の世界」は、知床の海を体感できる新感覚のデジタルアートで、実物大のシャチやマッコウクジラなど、知床に生息する生物たちと出会うことができるほか、お客さまの動きに反応して、魚たちが近寄ってきたり、逃げたりするなど、まるで海の中で遊んでいるかのような没入感を楽しむことができます。
さらに、1時間に数回、青く美しい海の景色から「海の生命循環」をテーマとした、お客さまが参加し、作り上げる幻想的なデジタルアート空間へと変化します。
何度来ても楽しめる体験設計
常設の展示ということで、起承転結のあるコンテンツだと飽きられてしまうことを課題として捉え、長尺の中で海上から深海までゆっくり進んでいき、その中で色々な海の景色に出会えるタイムラインを設計することでいつ来ても楽しめる飽きさせない体験設計を構築しました。
また、実際の時間軸と連動して、「青く美しい海の世界」も朝、昼、夜と景色が変化します。
さらに、魚たちは毎回ランダムに異なった動きをするので、本当に生きているように感じることができ、何度訪れても何度見ても楽しんでいただくことができます。
”フォトリアリズム”と”アブストラクト”を融合
水族館にある大水槽をデジタル技術で置き換えるという代替えコンテンツではなく、自然の神秘や壮大さ、時に自然の怖さを、”フォトリアリズム”と”アブストラクト”を融合させたアート表現で描いていきます。
デジタルならではの、”見る”だけではなく、”参加する体験”をプラス
エンターテインメントとしてだけの楽しい演出ではなく、”空間(自然)に人が介在することの理由”をつけることが重要と考えました。「青く美しい海の世界」は、”参加する体験”を通じて、今まで水族館にはなかった”学び””気づき”を提供します。
CREDITS
- Client
- 株式会社青々
- Production
- ワントゥーテン
Light Animal
株式会社サウンドシステム
株式会社マスターマインドプロダクション
エモ株式会社
- Business Director
- 二之形昌弘
- Producer
- 三木康博
- Project Manager
- 角田一樹
- Creative Director / Planner
- 村上琢哉
- Technical Director
- 仁科聡
- Art Director / Designer
- 吉川美穂
- Video Director
- 工藤啓之
- Engineer
- 仁科聡
廣居達也
- Special Thanks
- 藤平春奈 , 村井昌子
コバタケアスカ , 新福健太
中嶋真理 , 西沙霧
下田裕幸 , 木田尊也
川村崇 , 大場洋哉
稲田優太