OUTLINE
ワントゥーテンは、セントーサ島の豊かな自然、建築、テクノロジーを組み合わせたSentosa Sensoryscapeの夜のデジタルアート体験「ImagiNite(イマジナイト)」の体験設計、コンテンツ開発から実施までを担当いたしました。
コンソーシアムを組むシンガポールに拠点を持つHexogon Solution Pte Ltd.が、機材実装、施工、オペレレーションを担当しています。
当プロジェクトは、シンガポール政府機関(セントーサ開発公社)からの依頼を受け、2020年にHexogon Solution Pte Ltdと共に、Sensoryscape ナイトアートの国際入札に参加、2021年に正式にアワードされました。
「ImagiNite」は、シンガポールの新たな観光スポット、ナイトタイムエコノミーとして、毎晩無料で開催されています。
Sentosa Sensoryscape について
2024年3月11日シンガポールのセントーサ島にオープンした、全長350mのプロムナード「Sentosa Sensoryscape(セントーサ・センサリスケープ)」。
Sensoryscapeは、SDCが2019年から開発を進めている、Greater Sentosa Master Plan※ の第一弾として誕生し、総面積は30,000 平方メートルに及びます。
五感(視覚、聴覚、味覚、嗅覚、触覚)をテーマとした6つのガーデンと、2層の通路 (Upper DeckとLower Deck)で構成されています。ベッセルと呼ばれるメッシュ状の3つの巨大な建築物もその特徴の1つです。
※Greater Sentosa Master Planについて:
セントーサ島を、そのユニークな島の魅力、地理的特質、都市への近接性を生かし、レジャーと観光の画期的なデスティネーションに再開発する画期的なマスタープラン。
Sensoryscape WEBサイト
https://sensoryscape.sentosa.com.sg/
ImagiNite at Sentosa Sensoryscape について
Sensoryscapeを舞台とした、夜の体験「ImagiNite」。
この体験は、セントーサ島の豊かな自然の中で、視覚・嗅覚・味覚・触覚・聴覚を研ぎ澄ますガーデンを巡り、映像・光・音・AR体験が、ただ美しいものとしてではなく、訪れた方一人一人の感性を刺激するものとして共鳴し合う関係を目指しています。
この広大な敷地での、プロジェクション・光・音の体験にARが融合した立体的な体験をつくり上げた点が、このプロジェクトにおける最大の挑戦です。
Sensoryscapeは日が暮れると、セントーサの自然をモチーフとした森や海の生き物の映像で彩られます。手でふれ、足を踏み入れることで変化する世界「ImagiNite」は、来場者の感覚を刺激し、楽しむことができます。そして目に見えない第六感(あなたの想像力)を呼び起こします。
体験には3つのモーメントが用意されており、ゲストの好奇心を掻き立てるよう設計されています。約20分に一度訪れるミスティカルモーメントでは、各ガーデンの演出が一層盛り上がり、Sensoryscapeが一体となるダイナミックな瞬間を感じることができます。
ImagiNiteの専用アプリを用いたAR体験は、屋外に加え、夜間での実施という点でも難しい挑戦でしたが、インタラクティブなフロアプロジェクションと、建築空間をいっぱいに使ったAR体験の融合を堪能することができます。ARは、日中の明るい空間と夜の神秘的な雰囲気の中、それぞれで違った魅力を楽しむことができます。また、遠隔で記念撮影ができるHyperzoomも楽しむことができます。
「ImagiNite」はワントゥーテンの持つインタラクティブプロジェクション、照明演出、サウンドスケープ等の先端技術と体験設計に、セントーサの生き物に関するSDCの監修、Hexogon Solution Pte Ltd.の機材設計を組み合わせ、Sensoryscapeの建築物と融合したイマーシブな体験を提供します。
各ガーデンのコンテンツについて
「ImagiNite」のデジタルコンテンツは、Sixth sense of imagination(第六感の想像力)というコンセプトに沿って、6つのガーデンと2つの通路(Upper Deck)で構成されています。各ガーデンの五感(視覚、聴覚、味覚、嗅覚、触覚)にまつわる特徴的な外観や景色を、プロジェクション・照明・サウンドエフェクト・AR体験等のデジタルテクロジーで引き立て、Sensoryscape全体の雰囲気、来場者の体験をより向上させます。
プロジェクションの映像は、デジタルアートと手描きのイラストを組み合わせることで、想像力豊かで非現実的な印象を与えると同時に、手作りの温かみも演出しています。
Lookout Loop
Sensoryscapeの最高地点にある螺旋状の歩道からは、Sensoryscapeの建築や周辺のパノラマビューを楽しむことができます。1-10が演出担当した夜になると点灯するビームライトは、夜空にライトのショーを映し出します。ビームライトは遠くからも見ることができ、「ImagiNite」の始まりを告げます。
Tactile Trellis
Tactile Trellisは、触覚を楽しむことができるガーデンです。花壇に植えられた様々な植物の手触りの違いを楽しむことができます。触感(Touch)を生み出す植物のひとつひとつが、人間のデザインのインスピレーションの源です。夜になると、Sensory gardenと呼ばれる建築の内側のファサードに美しい夜の森が投影されます。花壇に手を触れると、夜の森が明るく照らされ、森に隠れた動物を見ることができるインタラクティブコンテンツです。
Scented Sphere
Scented Sphereは、嗅覚を楽しむガーデンです。セントーサ島の蝶を呼び寄せる植物がたくさん植えられており、視覚だけでなく嗅覚(Smell)を使った体験ができます。緑あふれる空間で、ゆっくりと植物の匂いを感じることができます。夜になると、プロジェクターとARで映し出される無数の蝶と花びらが空間全体を埋め尽くします。
Symphony Streams
Symphony Streamsは、聴覚を楽しむガーデンです。ベッセルと呼ばれる構造物の壁を伝う水のせせらぎを楽しむことができます。このガーデンでは、専用のARとインタラクティブなフロアプロジェクション、音と連動した照明演出を楽しむことができます。ベッセルの周囲には照明が配置されており、夜になるとサウンドに合わせて揺らぐ照明演出、海の生き物をモチーフとしたフロアプロジェクションが行われ、AR内ではクラゲや小魚、ウミガメが空間を泳ぎ回ります。ゲストとは水の音、サウンド、テクノロジーによる演出を五感を使い楽しむことができます。
Palate Playground
Palate Playgroundは、食感を楽しむことができるガーデンです。香り豊かなハーブからエキゾチックなスパイスまで多様な食用植物が植えられています。ガーデンを探検し、おいしい料理を作るインスピレーションを得たり、散歩の後、ゆっくり座ってくつろぎのひとときを楽しむこともできます。
夜になると、床にはセントーサ島に生息する、海と山の生き物が現れます。インタラクティブなフロアプロジェクションに足を踏み入れて、生き物たちを探索しながら食物連鎖について学ぶことができます。
Glow Garden
夕暮れから夜へと移り変わる頃、Glow Gardenでは、自然からインスピレーションを得た巨大な花の照明が、サウンドに呼応し、リズミカルに美しい光を放ち、訪れる人々の視覚を楽しませてくれます。Glow GardenはSensoryScapeの南の端にあり、ゲストを迎え入れる、または見送る花をモチーフにした豪華な光のゲートです。
Upper Deck
Upper Deckからは、Sensory gardenを上から直接見渡すことができます。またこの遊歩道には7つのインタラクティブフロアプロジェクションが配置され、それぞれ異なったテーマの映像を楽しむことができます。20分に1回7つの映像が1つになり、ダイナミックに変化します。
Lower Deckを歩いて各ガーデンに入ることもできます。
Hyperzoom
Hyperzoomとは、1-10が開発した、高解像度で遠距離撮影ができるSensoryscape内のフォトシステムです。Upper Deckに搭載されたカメラを使って撮影した記念写真と動画は、モバイル端末にからダウンロードが可能で、ゲストはこの特別な写真をSNSなどに投稿することができます。
このプロジェクトは、アプリを通じた夜間の屋外AR体験の先駆的な取り組みであり、その表現クオリティは前例のないものです。
ワントゥーテンはこのプロジェクトを通じて、来場者の感覚と想像力を刺激し、今までにない体験を提供することを目指しています。
CLIENT
Sentosa Development Corporation
AGENCY
1-10, Inc.
CONSORTIUM
1-10, Inc.
Hexogon Solution Pte Ltd.
ROLE
Creative Direction
Art Direction
Experience Design
Art Installation
App Development
AR Development
Lighting Design
Sound Design
実施情報
場所:シンガポール、セントーサ島
日時:2024年3月11日〜 約5年間の常設
19:50~21:50 毎日実施(無料)
CREDITS
CREDITS
- Producer
- 三木 慶悟
小田桐 浩希
鈴木 雄太※
- Creative Director
- Erwin Martohudojo
- Experience Designer
- 染谷 明美
- Technical Director
- 北島 ハリー
岩中 宏充
仁科 聡
松井 朋毅
- AR Engineer
- 合田 龍矢
- Unity Engineer
- 大場 洋哉
稲田 優太
廣居 達也
中川 湧太
河合 育夫
藤岡 宏和
- Front End Engineer (App)
- 中村 奈々
- Back End Engineer (App)
- 小須田 達哉
- Back End Engineer (Hyper Zoom)
- 小谷 俊介
- Visual Director
- 工藤 啓之
- Character Designer / CG Director
- 西 沙霧
- Business Producer
- 二之形 昌弘
- Composer
- 赤川 純一
- Projection Movie
- TREE Digital Studio Inc.
牧田 聡
荻野 夏生
田中 舜理
今若 弘大
- 3DCG アセット制作
- GIANTY Inc.
江波戸 杏美
松下 龍平
- Special Thanks
- 田村 聡大
- ※元1→10社員